大相撲九月場所14日目。唯一全勝の横綱・白鵬が、2敗の大関・豪栄道を上手投げで下し、昨年十一月場所以来、5場所ぶりのとなる賜杯を勝ち取りました。これが最多記録を更新する41回目の優勝、さらにこの勝利で史上初の幕内通算1000勝の偉業達成です。
今場所の開幕前は、横綱・稀勢の里の復活、大関・栃ノ心のカド番脱出、関脇・御嶽海の大関とりなどが見どころに挙げられ、七月場所で途中休場した白鵬はあまり話題になっていませんでした。昨秋の日馬富士暴行事件の現場に同席した当事者のひとりで、今年に入って精彩を欠いていたこともあり、もう白鵬の時代は終わった。そんな声もあったような気がします。
ところがどっこい。終わってなかったですね。徐々にエンジンがかかってきて、強い白鵬が復活しました。ワタシは白鵬のファンというわけではありませんが、記録好き、データ好きとしては放っておけない力士です。
白鵬はこれまで、数々の偉大な記録を残しています。中でも、幕内通算1000勝はスゴい数字だと思います。大相撲の本場所は1年6場所、15日間で90番ですから、全勝しても10年以上かかります。現役で続くのは14日目終了時点で稀勢の里の714勝、以下安美錦678勝、琴奨菊642勝、鶴竜591勝、豪風590勝。白鵬はこれからも記録を伸ばしていくでしょうから、もう破られない気がしてきます。
少し前のスポーツ紙に、100勝ごとの負け数が出ていました。これを見ると、白鵬の全盛期の強さは恐るべし、です。
・1~100勝 49敗
・101~200勝 21敗
・201~300勝 19敗
・301~400勝 5敗
・401~500勝 5敗
・501~600勝 19敗
・601~700勝 9敗
・701~800勝 11敗
・801~900勝 17敗
・901~1000勝 25敗
301勝から400勝、そして401勝から500勝まで、ともに5敗しかしていないのです。つまりは100勝5敗ペース。考えられない勝率ですね。2010年には歴代2位の63連勝を記録しました(よく知られるように、連勝を止めたのは当時前頭筆頭の稀勢の里で、このほかにも稀勢の里は白鵬の連勝を43、23で止めたことがあります)。
最近はさすがに勝率が落ちていますが、今回の優勝で、まだ白鵬時代が続きそうな気配が漂ってきました。千秋楽は横綱・鶴竜との対戦になります。鶴竜を破り、これまた自身の記録を更新する14回目の全勝優勝達成となるか、注目です。