散髪は年1回。

雑記です。

『ちびしかくちゃん』を読んで。

 先週読んだある雑誌に、著名人が進めるエッセイ、という特集があり、その中で『ちびしかくちゃん』(さくらももこ著・集英社)が紹介されていました。今年8月に乳がんのため亡くなったさくらももこの代表作といえばもちろん『ちびまる子ちゃん』ですが、この本は作者本人によるそのパロディー漫画。こちらは「まる子」でなく、何かと角が立ちがちな「しか子」が主人公です。「しか子の周りで起きるのは、どこかブラックで不条理なことばかり……」「さくらももこを語るなら、これを読んでこそ!」と書かれていました。

 興味を持ったワタシは、同書を読んでみたくなりました。作者のさくらももことはほぼ同世代です。アニメの「ちびまる子ちゃん」は、子どもが小さいころ、毎週のように見ていました。あまりまる子を肯定することはできませんでしたが、中にはほっこりする回もあり、それなりに楽しんでいた記憶があります。

 とりあえず先週、仕事帰りに地元のブックオフをのぞいてみました。この年で少女漫画のコーナーに行くのは気が引けましたが、夜遅かったこともあってか、集英社のコーナー前に人はいませんでした。ホッとしつつ、でもまあまさか置いていないだろう、と期待せずに探していたら、なんとあっさり見つかりました。『ちびまる子ちゃん』は1冊も見当たらなかったのに、『ちびしかくちゃん』が1冊、ワタシに探してもらうのを待っていたかのように置いてあったのです。

 すぐ手に取り、値段を確認して、レジへ向かいました。クーポンを使ったので100円台で手に入れることができました。さっそく家に帰って、読んでみました。

 その感想は、というと――いやあ~予想以上に読後感はよくなかったですね。とにかくヤバくてブラックです。登場人物がすべて本家『ちびまる子ちゃん』のパロディーで、家族も含めて全員がイヤなヤツとして描かれています。

 特に、しか子と一緒にいることの多い(たまちゃんでなく)“だまちゃん”が強烈です。毎回毎回、理不尽な怒りをしか子にみせ、いじわる極まりない。救いようがありません。しか子は最初から最後まで怒られっぱなし。全部が濡れ衣なのに、家族もフォローしてくれません。全24話中、読んでいて、おいおいおい、これで終わり!?という回ばかりで、はっきり言って凹みました。さくらももこの闇は深い、そう思わざるを得ませんでした。

 それでも最終話の「【しか子の夏休みの始まり】の巻」だけはだまちゃんが優しさを見せ、いいエンディング。全部をとおして言いたいのは、人生はきれいごとだけじゃない、人は誰でも多面性を持っている、ということなんですかね。こういうところにファンはさくらももこの真骨頂! を見出すんでしょうか。特にファンというわけではないワタシは、『ちびしかくちゃん』の世界観が正直、わかりませんでした💦💦💦

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気になる人はぜひ読んでみてください。でも、後悔するかもしれませんよ、と言っておきます。