ワタシとしては昨季に続いて最終第7戦決着になってほしかったのですが、その願いは届きませんでした。
文化の日の今日(11/3)、横浜スタジアムで行われたDeNA(セ・リーグ3位)×ソフトバンク(パ・リーグ覇者)の日本シリーズ第6戦。DeNAが勝てば1998(平成10)年以来26年ぶり3回目の日本一が決まり、ソフトバンクが勝てば3勝3敗に並ぶ大事な一戦です。
今季の日本シリーズは第5戦まで、ホームチームが全敗するという〝外弁慶シリーズ〟になっていました。全試合でビジターチームが先制点を奪い、逆転勝ちは1試合もなし。第6戦はDeNAのホームゲームなので、ソフトバンクが勝つ番ということになります。ワタシはそうあってほしいと思い、自宅でテレビの前に陣取りました。
横浜スタジアムは異様な雰囲気でしたね。テレビ画面からも伝わってきました。1回表、ソフトバンクは1死から2番・今宮健太が右中間へツーベースを放ち、その後2死三塁とするも4番・山川穂高が3球三振で得点を挙げられず。これでソフトバンク打線は第3戦の2回から27イニング無得点となり、1958(昭和33)年の巨人と26で並んでいた日本シリーズ連続無得点のワースト記録を更新です。ここまで打てないとは。あとはソフトバンクの投手陣がふんばるしかありません。
1回裏、DeNAはソフトバンクの先発・有原航平から無死一・二塁としますが3番・牧秀悟が空振り三振、4番・オースティンがサードゴロ併殺打でこちらも無得点。有原は第1戦で7回無失点で勝利投手になっています。正直、今日も気負いはあったでしょうね。
ソフトバンクは2回表、先頭の5番・近藤健介がセンター前ヒットで出塁します。しかし、6番・栗原陵矢が空振り三振、7番・牧原大成がセカンドゴロ併殺打でスリーアウト。連続無得点は28イニングに伸びました。ソフトバンク打線、点の取り方を忘れてしまったのか。
その裏、DeNAは先頭の5番・筒香嘉智がカウント2-1からの4球目をフルスイング。打球はバックスクリーン右に飛び込みました。このときの横浜スタジアムの盛り上がりのすさまじさといったら。DeNAはさらに2死二、三塁から1番・桑原将志のレフト前タイムリーで2点を追加します。桑原は日本シリーズ新記録となる5試合連続打点で、流れは完全にDeNAでしたね。
3回表、ソフトバンクはあっさり三者凡退。連続無得点は29イニングに更新です。3回裏、DeNAは押し出しで1点を加え、スコアは4-0。いまのソフトバンク打線が5点とるのは相当しんどい。この時点で、もう勝負あり、と思った人はワタシを含めて多かったでしょう。
ソフトバンクは4回表、3番・柳田悠岐がバックスクリーンへ2ラン本塁打を放ち、30イニングぶりに得点を挙げます。ただ、ワタシはソフトバンクが逆転するイメージは沸きませんでした。
DeNAは5回裏、5安打と3四死球で一挙7点をとり、11-2と大きくリードを広げます。完全に意気消沈したソフトバンクは6回以降、今宮が放った1安打だけで、7~9回はすべて三者凡退と、あっさりゲームセット。三浦大輔監督率いて4年目のDeNA、シーズン3位からの〝下克上〟達成です。それにしても、こんな大味な展開になるとは。
シリーズ開幕前、プロの解説者の予想はソフトバンクの4勝1敗、もしくは4勝2敗がほとんどで、DeNAを推す声はなかった気がします。結果的にはそうならなかったわけで。わからないもんですねえ。
今回の特記事項を挙げます。
🥎DeNAが横浜時代の1998年以来、26年ぶり3度目の日本シリーズ制覇。今季のレギュラーシーズンは71勝69敗3分けと勝ち越しはわずか2で、勝率.507の3位。セ・リーグ優勝は1960、98年の2度しかなく、リーグ優勝より日本一の回数が多いのは12球団でDeNAだけ。
🥎リーグ優勝球団以外の日本一は2019年ソフトバンク(パ・リーグ2位)以来5度目。3位からは2010年ロッテ以来2度目で、セ・リーグの3位は初めて。1975年阪急の勝ち越し5と勝率.520(64勝59敗7分け)を下回り、「最少勝ち越し数」&「最低勝率」の日本一となった。
🥎DeNAに敗れたソフトバンクは今季レギュラシーズンで12球団ダントツの91勝49敗3分けの勝ち越し42、勝率.650。過去に勝ち越し差が25以上あったシリーズはすべて勝ち越しの多い球団が日本一になっていたが、DeNAが勝ち越し差40をひっくり返した。勝率が1割以上低い球団が勝ったのも初めて。
🥎DeNAの日本一は1960年→1998年→2024年。今回の26年ぶりは日本一ブランクの7位タイで、25年以上のブランクが2度はDeNAが初めて。1960年は三原脩監督、1998年は権藤博監督で、生え抜きの監督で日本一は球団史上初。三浦大輔監督は1998年第3戦に先発。選手と監督の両方でシリーズに出場して日本一は20人目となり、そのうち投手は金田正一、藤田元司、渡辺久信、工藤公康、高津臣吾に次いで6人目。
🥎ソフトバンクは、王貞治監督が率いたダイエー時代の2000年、長嶋茂雄監督率いる巨人と日本シリーズで対戦し、初戦、2戦目と敵地東京ドームで連勝するも、その後本拠地福岡ドームで3連敗、そして第6戦の東京ドームでも敗れて日本一を逃していた。初戦から〇〇●●●●と今季とまったく同じパターンだった。
……なにはともあれ、これで2024年の日本プロ野球は終了です(11月9日からはWBSCプレミア12が始まりますが)。データ&記録好きとしてはかなりもの足りないところがあったものの、今季も楽しませてもらいました。来年はどんなシーズンとなるでしょうか。ワタシはまたチェックし続けます。