散髪は年1回。

雑記です。

日本ハム・清宮への懸念。

 このところワールドカップにハマっていましたが、ワタシは野球も大好きです。高校野球、日本プロ野球メジャーリーグ、話し出したら止まらなくなります。

 2018年シーズンの日本プロ野球は先日、前半戦を終了しました。ここまで、セ・リーグは首位・広島を除く5チームが勝率5割以下、パ・リーグは最下位・楽天を除く5チームが勝率5割以上と、両極端なシーズンになっています。後半戦はどんな展開が待ち受けているのか、楽しみです。

 今シーズン、注目選手の一人に挙げられていたのが、日本ハムのルーキー・清宮幸太郎です。史上最多の高校通算111本塁打を 引っさげ、昨秋のプロ野球ドラフト会議で7球団が競合した逸材は、5月に1軍デビューを果たしました。プロ初打席で地元・札幌ドームのフェンス直撃のツーベースを放つと、そのゲームから7試合連続安打。プロ初本塁打も記録しました。

 ところが、本塁打の後は21打席連続無安打と大スランプ。打率は2割に届かず、三振も出場試合数を大きく上回り、プロの壁にぶち当たった感じです。5月29日からの交流戦を前に2軍落ちしたのは首脳陣の判断としては当然です。その後7月に期間限定で1軍に再昇格を果たしましたが、2試合で安打は出ず、現在は2軍に合流しています。

 清宮の前半戦の成績は、23試合に出場して69打数12安打(二塁打2、本塁打1)の打率1割7分4厘。三振数は29で、およそ2.4打席に一つ、三振している計算となります。今後、この壁をどう乗り越えていくか。将来のスーパースター候補として、清宮の今後の活躍に期待をかけたいところですが、プレイ以外の部分で、少し気になるところがあります。

 すでに誰かが指摘しているかもしれませんが、それは、清宮が「第一子長男」であることです。1989年発行の『兄弟型プロ野球珍獣図鑑』(畑田国男・著/コア出版)を参考に見てみます。兄弟型は、よく知られるように、第一子、中間子、末っ子、ひとりっ子の4つに分類されます。詳細は省くとして、日本プロ野球選手の“第一子長男”の特徴は、次のようなものです。

・責任感が強く、優等生
・チャンスに弱い
・理論派
・打者よりも投手向き
・打者としてはアベレージヒッター
・打者としてはプレッシャーに負けて大舞台にカラッキシ
・「君臨型」の名監督になる

 『兄弟型プロ野球珍獣図鑑』には第一子、中間子、末っ子、ひとりっ子、それぞれに具体的な選手名が挙げられており、第一子長男で目を引くのは、金田正一東尾修堀内恒夫江川卓野茂英雄、といった強力なエース陣と、川上哲治上田利治仰木彬など、“名将”たちで、打者で目立つのはタイトルホルダーの原辰徳ウォーレン・クロマティー、屋鋪要ぐらい。ほかに長嶋一茂小早川毅彦池山隆寛……言い方は悪いのですが“小粒感”は否めません。

 兄弟型をあらためて眺めてみると、日本プロ野球で最強といえるのはやはり“末っ子”です。『兄弟型プロ野球珍獣図鑑』に出てくる長嶋茂雄王貞治張本勲野村克也山本浩二ランディ・バース落合博満、そして最近ではイチロー松井秀喜大谷翔平などなど、球史に名を刻むスラッガーはほとんどが“末っ子”なのです。

 一方、メジャーリーグに目を向けると、“第一子長男”のバッターに超大物がいます。といってもワタシが知っているのは現時点で2人ですが。まずはメジャー最多、通算762本塁打の記録を持つバリー・ボンズ(ワタシのここでの名前、バリボン25は彼からとっています)。もう一人は19歳でメジャーデビュー、殿堂入りも果たしているケン・グリフィー・ジュニアです。2人に共通しているのは、父がメジャーリーガーだったこと。ボンズの父は同一シーズンに30本塁打&30盗塁を5回も達成した万能選手ボビー・ボンズ(息子バリーも30-30は5回達成)、ジュニアの父は70年代、レッズ黄金時代の“ビッグレッドマシン”の一人として活躍した同名のシニアです。

 バリー、ジュニアともに本塁打王をはじめ数々のタイトルを獲得しており、独特のプレッシャーがかかるとされるポストシーズンでも、バリーは最初で最後のワールドシリーズとなった2002年に17試合に8本塁打、ジュニアもチームが初めてポストシーズンに臨んだ1995年に11試合で6本塁打と、いわゆる“ゾーン(極限の集中状態)”に入ったときは驚異的な活躍を見せました。“第一子長男”のひ弱さ(?)は、日本プロ野球界独特のもので、外国人には当てはまらないのかもしれません。

 メジャーリーグの公式サイトで検索すると、ボビー・ボンズは1946年3月15日生まれ、息子のバリーは1964年7月24日生まれ。ケン・グリフィー・シニアは1950年4月10日生まれ、息子のジュニアは1969年11月21日となっています。つまり、バリーは父が18歳、ジュニアは父が19歳のときの子どもなわけです。サンプルが少ないのでなんともいえませんが、“父が10代のときに生まれた子ども”には何か特別な才能が備わっている、ことが証明されたら面白いですね。

 野球以外のジャンルに目を向けると、確か陸上・ハンマー投げ室伏広治、将棋の羽生善治、最近では卓球の張本智和が第一子長男のはずです。ほかにも大物は大勢いそうです。

 話がとんでしまいました。清宮は今日(7月12日)のフレッシュオールスターゲームの第2打席でホームラン! 試合には敗れ、MVP獲得こそ逃しましたが、スターが持つ“何か”を感じさせました。清宮にはぜひ、日本プロ野球界のバッターにはびこる“第一子長男のジンクス”をぜひ打ち破ってほしいと思います。

f:id:baribon25:20180713002430j:plain

『兄弟型プロ野球珍獣図鑑』、表紙のイラストは【フクロウ目・フクロウ科・ミスターミミズク】こと長嶋さんです。