平成最後の本場所となった大相撲三月場所は、横綱・白鵬の全勝優勝で幕を閉じました。ワタシは去年十一月場所が貴景勝、今年一月場所が玉鷲と初優勝が続いていたので、三月場所もその流れで、開幕前は大関・髙安、本場所が始まってからは逸ノ城が優勝するだろう、と思っていたのですが、白鵬はさすがでしたね。
今場所の白鵬も、記録づくめとなりました。自身の持つ最多優勝記録を42に伸ばし(2位は大鵬の32回)、全勝優勝も歴代最多の15回目(2位は双葉山、大鵬の8回)。さらに、初優勝した2006年から14年連続優勝も歴代1位です(2位は大鵬の12年連続)。さすが“記録男”の面目躍如といえます。
もうひとつ、今日の千秋楽は見逃せない一番がありました。そう、カド番の大関・栃ノ心と、大関昇進へ後がなくなった関脇・貴景勝の対戦です。前日まで7勝7敗の栃ノ心は負ければ大関陥落、同じく9勝5敗の貴景勝も、勝てば大関昇進が決定的、負ければ大関昇進が見送られる可能性が高く、両者にとって“絶対に負けられない戦い”でした。
勝負は貴景勝が押し出しで完勝しました。大関昇進は確実です。対照的に、右足のサポーターが痛々しい栃ノ心は、わずか5場所で大関から陥落することになってしまいました。調べてみると、これは大受と並ぶ短命記録となります(のちに横綱に昇進した力士を除く)。それでも、「直後の場所で10勝以上を挙げた場合は特例で復帰できる」とする規定があるので(個人的には甘い規定だと思いますが)、五月場所で2ケタ勝利を挙げれば大関に復帰できます。来場所、注目力士のひとりですね。