新型コロナウイルスの感染者や濃厚接触者が出たことで、全休の力士は65人。白鵬、鶴竜の両横綱をはじめ、十両以上の休場者は途中休場を含めて戦後最多の19人にのぼりました。そんな混沌とした大相撲一月場所が無事、千秋楽を迎えました。
2敗で単独トップに立つ西前頭筆頭・大栄翔は、西前頭5枚目・隠岐の海に勝てば初優勝が決定。大栄翔が隠岐の海に敗れ、結びの一番で正代が朝乃山との大関対決に勝てば、優勝決定戦になります。ワタシはぜひ、そうなってほしいと願っていました。が、前日にも書いたとおり、その確率は低いだろう、と半ばあきらめていたのも事実です。
隠岐の海-大栄翔は過去、隠岐の海の10勝8敗ながら、最近は大栄翔が4連勝中。ただ、隠岐の海はここまで7勝7敗で、この一番に勝ち越しがかるとあって、もしかしたら……の期待がありました。が、大栄翔は強かったですね。立ち合いから圧倒し、一気に隠岐の海を突き出し。見事な相撲でした。
大栄翔は13勝2敗で初優勝。埼玉県出身力士では初、追手風部屋勢でも初優勝です。そして、2016年から続く〝一月場所で初優勝力士誕生〟のジンクスは、今年も継続されました。データ&記録好きとしてはニンマリです。
カド番の場所で最後まで優勝争いに絡んだ正代は朝乃山に敗れ、朝乃山とともに11勝4敗。それでも、存在感は示しました。来場所はぜひ、2度目の賜杯を手にしてほしいですね。
なお、三賞は大栄翔が殊勲賞と技能賞を獲得、東関脇・照ノ富士と新入幕の西前頭14枚目・翠富士も技能賞を受賞しました。敢闘賞は該当者なし。ワタシは西前頭2枚目・宝富士が大栄翔の連勝を止めたとき、勝ち越せば三賞受賞の可能性があるのでは、と書きましたが、その予想は外れました。