久しぶりのメジャーリーグネタです。今季、藤浪晋太郎が入団したアメリカン・リーグ西地区所属のオークランド・アスレチックス(略称A's)が、開幕から最悪のスタートを切り、現在も上昇する気配がみえません。
現地時間5月29日(日本時間5月30日)、本拠地オークランドコロシアムでナショナル・リーグ東地区首位のブレーブスと対戦したアスレチックスは、7-2で快勝しました。これが5月16日以来の勝利で、連敗は11でストップ。藤浪は4-1の8回から登板し、1回を被安打1、奪三振1、無四球の1失点で初ホールドを挙げています。
ようやく連敗を止めたアスレチックスですが、今季の成績は目を覆うばかり。開幕からの星取表はこうなります。
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○→3連敗→○→6連敗→○→7連敗→○→連敗→○→5連敗→○→3連敗→○○→5連敗→○→3連敗→○→11連敗→○
連勝は一度だけ。見事な負けっぷりです。ここまで11勝45敗で、勝率は.196と2割にも届きません。シーズン換算は32勝130敗。さまざまなワースト記録がチラついてきました。ザッと並べてみましょう。
メジャーリーグのシーズン歴代最多敗戦は、1899年のクリーブランド・スパイダースです。20勝134敗、勝率は.130と恐るべし数字。スパイダースは通算511勝をマークした伝説の大投手サイ・ヤングが所属したチームで、前年の1898年にはシーズン5位ながら81勝68敗(勝率.544)を挙げていました。が、翌年ヤングをはじめ主力選手がほとんどチームを離れたため、悲惨な成績でシーズンを終えたわけです。スパイダースはこの年かぎりでナショナル・リーグを脱退して解散しています。
アメリカン&ナショナルの2大リーグ制になった1901年以降のシーズン最多敗戦は、1962年に創設されたニューヨーク・メッツで同年に40勝120敗(勝率.250)を記録。メッツは翌1963年以降も111敗→109敗→112敗→95敗→101敗と6年間で648敗しました。メッツの120敗はナショナル・リーグ記録。アメリカン・リーグのワーストは2003年のデトロイト・タイガースで、43勝119敗(勝率.265)。今世紀に入ってのものだったとは意外でした。
そしてアスレチックスのシーズン最多敗戦は、1979年で54勝108敗。それでも勝率は.333ですから、今季のアスレチックスの低迷ぶりは際立ちます。2000年代初めに「マネーボール」で一世を風靡し、2020年までの21年間でポストシーズン進出11回と、強かった時代を知る身として、現状が信じられない部分がありますね。
低迷した要因として考えられるのは、
・今季からメジャーリーグの対戦方式が変わり、全球団が他29球団と総当たりで対戦することになったこと。同地区同士の対戦が76試合から53試合に減少し、他地区&インターリーグの試合が大きく増えたため、慣れないチームとの対戦に苦戦
・2025年にネバダ州ラスベガスへの本拠地移転が決まり、観客動員も伸び悩むため、チーム強化に本腰を入れられない
といったところでしょうか。長い歴史を持つアスレチックスは、リーグ優勝15回、ワールドシリーズ制覇9回を誇る一方、最下位が38回もあります。このままズルズルと史上ワーストチームになってしまうのか、それとも巻き返しはなるのか。記録&データ好きとして、ワタシは今後もアスレチックスの勝敗を注視していきます。