データ&記録好きとしてはやはり取り上げないわけにはいきません。現地時間6月28日(日本時間6月29日)、カリフォルニア州オークランドのオークランドコロシアムで行われたヤンキース×アスレチックス戦で、ヤンキースの背番号0、ドミンゴ・ヘルマンが完全試合を達成しました。
ヘルマンの投球結果です。
[1回]右飛 空三振 空三振
[2回]三ゴロ 捕飛 見三振
[3回]遊ゴロ 左飛 遊直
[4回]右飛 空三振 空三振
[5回]右飛 一ゴロ 空三振
[6回]左飛 空三振 空三振
[7回]中飛 空三振 遊ゴロ
[8回]一飛 三ゴロ 三ゴロ
[9回]遊ゴロ 中飛 三ゴロ
投球数は99球(うちストライク72球)、奪三振は9。ワタシは例によってリアルタイムで見ていませんが、大量リードの最終回も気を緩めず、見事なピッチングだったようです。
ヘルマンは1992年8月4日生まれ。波乱の野球人生を送ってきました。
〈19年に自己最多の18勝を挙げ、エース級の期待を背負った右腕も、紆余(うよ)曲折の野球人生を送ってきた。同年9月には家庭内暴力の嫌疑で出場停止処分を受けた。コロナ禍の20年7月には、自身のSNS上で「僕は野球から離れる」と一度は引退を示唆。その翌日にコメントを撤回するなど、情緒不安定とも見られる時期を過ごした。今季も5月には投球の際に粘着物質を使用したとして、10試合の出場停止処分を受けた。直近2試合は計5回1/3で17失点(自責15)と、不安定な投球が続いた。
「とても興奮している。多くの人が完全試合のチャンスがあるわけでなく、こんなことを達成できるわけではないからね」。本番を迎えるポストシーズン争いを前に、頼もしい右腕が快挙で勢いをつけた〉(日刊スポーツ)
米スポーツ局「ESPN」の「スタッツ&インフォ」によると、2桁失点を喫した投手が次の登板で完全試合を達成したのは、MLB史上初、とのことです。
なお、メジャーの完全試合は2012年8月15日、マリナーズのフェリックス・ヘルナンデスがレイズ戦で達成して以来、11年ぶり24人目、ヤンキースでは1956年10月8日のドン・ラーセン(対ドジャース)、1998年5月17日のデービッド・ウェルズ(対ツインズ)、1999年7月18日のデービッド・コーン(対エクスポズ)以来、24年ぶり4人目(ラーセンはワールドシリーズで達成)。ヤンキースの3投手が完全試合を達成した年は、いずれもワールドシリーズを制しています。
現在、ヤンキースはアメリカン・リーグ東地区で3位、ワイルドカード争いでは2位。縁起のいいジンクスを今回も継続することできるでしょうか。